2010年7月7日水曜日

捨てる

捨て上手というと、やはりこの人のことを思い浮かべざるを得ない。

Steve Jobs. フロッピーを捨て、SCSIを捨て、バッテリー交換を捨て…ついにはキーボードとマウスを捨て。Appleはまさに「捨てる会社」である。どうしてこの人はこれほど捨て上手なのか。

あまりに有名なあのスピーチで、彼は自分の半生を誕生時まで遡っている。遡らざるを得ない。産みの親に捨てられた事が、彼の捨てられ人生の始まりなのだから。

そして自ら操業した会社に捨てられ、ついには自分の人生そのものを膵臓ガンに捨てられかける。

捨て上手がなぜ捨てられるか。

捨てられても大丈夫なことを、心も体も知っているからである。

捨てることに対する最大の抵抗は、「もし自分が捨てられる立場にたったらどうしよう」なのではないか。

大丈夫。捨てられても、拾ってくれる誰かが必ずいる。ちょっと計算してみよう。
あなたが80%の確率で捨てられても、8人に声をかければ83%の確率で拾われる

世界には現在67億人もの人がいる。拾ってくれる人がいないわけがない。