2008年12月24日水曜日

死ぬまでに知っておきたい 人生の5つの秘密

「これまでめぐりあったことのある、ご高齢の賢人といえば、誰ですか?」

米国とカナダに住む一万五千人に推薦してもらった結果、1000人の賢者のリストができた。町の理容師、教師、経営者、聖職者、詩人、政治家など、さまざまな職業や社会的地位の人物がいた。著者はそこから235人を訪問して長時間のインタビューを行った。

死ぬまでに人生について知っておくべきことは何でしょうか?次の世代に何を教えるべきでしょうか?。高齢になって周囲から賢人と呼ばれる人たちが語った人生の知恵を収集するプロジェクトが始まった。

賢人たちは人生が「あっという間」だったと口をそろえる。充実した人生は一層短く感じられるものかもしれない。

「トルストイは『アンナ・カレーニナ』のなかで、「幸福な家族はみな似ているが、不幸な家族はそれぞれ独自の不幸をかかえている」と記した。ぼくが インタビューを通じて発見したのは、幸福な人たちの生き方には、五つの秘密が共通点としてあったことだ。そしてもっと重要なことに、かれらはそれを実践し て生きていた。」

5つの秘密とは次のようなものだ。

1 自分の心に忠実であれ
2 思い残すことのないように生きよ
3 愛になれ
4 いまを生きよ
5 得るよりも与えよ

どれも当たり前の教訓であって秘密というほどのものではない。だが、実際に賢人にインタビューするとこれらを強く意識して、実践しているという結果 が出たことが真の秘密なのだと著者は書いている。日々、こうしたことができているか自分に問いかけながら生きている賢者も多かった。でも無理はしない。自 身の進路を毎日修正して目標に近づいていくことが自然に出来ている人が賢者なのだ。

幸福な人生とは後悔しない人生なのだと賢者の明るい語り口からわかる。そして賢者の中にも、何かをしなかったことチャンスをいかさなかったことをしきりに悔やむ発言をした人もいた。

「事実、"高齢の賢人たち"のあいだで、あまり幸福そうでない人と幸福な人との違いは人生における後悔との折り合いのつけ方にあった。だれよりも幸 福そうな人たちは、人生と折り合いをつけ、満足していた。だが不幸な人たちは、逸した機会をいつまでも惜しみ、後悔の泥沼に陥っていた。」

うまくいかない人生とうまく向き合う。「上を向いて歩こう」ということか。「おそらく、ぼくたちの人生で幸福を決定する物は、挫折や失敗のあとで踏みだす第一歩なのだろう」とは著者の分析。

巻末には「人生の秘訣を一文で表してください」という質問に対する回答リストがある。どれも短いが深
い。


http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/12/-5.html